伊東市新井の伊東魚市場に25日、キハダマグロがまとまって水揚げされた。北川定置網(東伊豆町)が1498キロ、赤沢定置網100キロで、近年まれな大漁だという。県定置漁業協会の菊地隆雄事務局長は「8月はぼつぼつ揚がったが、こんな大漁は珍しい」と話した。ずらりと並んだマグロで市場は活気づいた。
午前7時半ごろ、北川定置網の漁船第51光洋丸が伊東に入港した。船内の水槽はキハダマグロだけでなくサバやカマスがいっぱいで、たもや手かぎで次々と水揚げした。
キハダマグロは1メートル超が多く、重さは50キロ前後。仲買人も興奮気味に品定めし、市内のスーパーマーケット担当者は「これはマグロの特売だ」とうれしそうに話した。
光洋丸の漁師、弘中慶大さん(30)は「こんなに入ったことはない。あまりに大漁で驚き、うれしい半面これは大変。網の中でマグロがバチバチ大暴れしていた」と語った。玉の汗をかき「これでも1回着替えたんだよ」とびっしょりになったTシャツを見せ、忙しく働いた。
キハダマグロは川奈や網代など伊豆東海岸各地の定置網で揚がっている。菊地事務局長は「群れが来ているのだろう。それにしても一つの定置網でこの量はすごい」と語った。