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「朝採れ冷凍イチゴ」商品化 急速冷凍機初導入 ロス削減へいちご狩り組合―伊豆の国

 伊豆の国市の江間いちご狩り組合(伊奈隆組合長)は今春、新たに液体式急速冷凍機を導入し、高品質な「朝採れ冷凍イチゴ」の製造と活用に乗り出した。果実の「食品ロス」削減と、生産者らの農業所得向上につなげるのが狙い。今後需要を精査し、受注が見込まれる地元観光施設や旅館、ホテルなどにアピールしていく方針だ。
 
 閑散期に生まれる、廃棄せざるを得ないイチゴは長年の懸案だった。有効活用に向けて同組合役員や、事務局を務めるJAふじ伊豆江間支店で検討を重ねてきた。同JA「あぐりチャレンジ事業」の補助金を活用し、自己資金と合わせて導入が決まった。
 急速冷凍機は真空状態にしたイチゴを零下30度の液体に30分ほど漬けることで、細胞をほとんど壊さずに冷凍できる点が特長だ。通常の冷凍果実に比べ、摘みたての「生イチゴ」に限りなく近い食感と味わいを実現できる。
 試運転を経て、4月に製品化のめどがついた。生産者が持ち込む「高品質な完熟イチゴ」として1パック(500グラム入り)を主力にする方針で、使い勝手などを加味しつつ、将来的に機械を活用した新たな商品化も図る。
 伊奈組合長は「レストラン併設の観光施設やドライブイン、菓子店など、関心を持ってもらえそうな所に積極的にアプローチしたい」と語り、担当した同JAの土屋重治さんは「収益アップだけでなく、江間いちご狩りセンターそのものの魅力アップにつながるとうれしい」と期待する。

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