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全国希少の蒔絵体験施設 南町「工房けんさい」好評―伊東

 伝統工芸技法の蒔絵(まきえ)を体験できる施設が、伊東市南町にある。5月に開業1周年を迎えた宇佐美出身の蒔絵作家森薫子さん(59)が営む「蒔絵工房けんさい」で、リピート客も現れるなど好評だ。体験施設は全国的に少なく、森さんは「伊東でやる人を増やし、伝統工芸を大切にする町になったら楽しい」と話した。
 
 蒔絵の体験施設は珍しく、森さんの調べなどでは東海地方で数件という。以前勤務した伊豆高原のクラフト施設の経験を生かし、他にない伝統工芸の体験を提供しようと昨年の大型連休に開業した。
  所要時間は2時間ほどで2700円から。簡易的な技法を体験でき、小物や食器に下絵を転写して漆を塗り、色の付いた金属粉を振り掛ける。持ち帰り可能で乾燥は自宅で行う。下絵の図柄は伝統的な草花から、伊豆にちなんだワサビやカピバラまでと多彩で100種ほどある。
  工房には地元客も多い。森さんは三島市のカルチャースクールで講師経験があり、「今後は伊東でも教室を開きたい。短時間の体験では作れない本格的な蒔絵を伝えたい」と展望を語った。
  森さんの蒔絵歴は15年ほどで東京の職人に師事し、刀のさやを中心に制作し販売もする。「美術館で蒔絵を見て感動し、趣味が高じて仕事になった。もっと早く始めれば良かったというのだけが後悔」と語る。不定休で予約が必要。問い合わせは同施設〈携帯090(3300)3068〉へ。

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