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水上「薪能」幽玄に 松川特設舞台で野村萬斎さんら―伊東祐親まつり開幕

 伊東発展の礎を築いたとされる平安末期の武将、伊東祐親公をたたえる第48回「伊東祐親まつり」(NPO法人伊東市文化財史蹟保存会主催、伊豆新聞本社など後援)が20日、同市の松川水上特設能舞台で開幕した。夜には呼び物の「伊東温泉薪能」が厳かに催され、かがり火に照らされた舞台で繰り広げられる幽玄の世界が観衆を魅了した。
  
 市三曲連盟の演奏に続き、伊東子供お能教室の小中高校生が創作能「八重姫」や舞囃子(ばやし)「田村」「高砂」「小袖曽我」を披露した。
  日が落ちてかがり火の火入れ式を終えると、厳粛な雰囲気に包まれた舞台で重要無形文化財総合指定保持者の野村萬斎さんが狂言「苞(つと)山伏」を演じ、伊藤嘉章さん、加藤真悟さんが能「船弁慶」に出演した。
  苞山伏は、山に薪取りに来た山人、現れた山伏、通りすがりの使いの者が、飯泥棒の罪をなすりつけ合う物語。野村さんは使いの者を演じ、軽妙な掛け合いで観衆を引き付けた。
  同まつりは21日まで。特設能舞台で午前10時半から「奉納舞台」(入場無料)、午後6時20分から「夢舞台」を催す。郷土芸能を中心とした市内外の団体が出演する。今回はクラウドファンディング(CF)で、計130万5千円が集まった。
 
 ■郷土の先人しのび献花 式典で俳句、川柳、短歌表彰も
 
 伊東祐親まつりは初日、松川水上特設能舞台で式典を開いた。関係者が献花や献歌・句を行い、祐親公をはじめとする郷土の先人をしのび、感謝した。
  同保存会の堀口武彦理事長は「昨年はNHK大河ドラマで大いに盛り上がった。引き続き伊東を代表する文化の祭典、初夏の風物詩として、後世にしっかりと残していきたい」とあいさつした。
  来賓の祝辞に続き、舞台上に飾られた祐親公のパネルの前で俳句、川柳、短歌の入賞者が句と歌をささげ、表彰状を受け取った。最後は出席者が順番に菊の花をささげた。
  俳句、川柳、短歌の入賞者は次の人たち。
 
  【俳句】市長賞「血塚とふ哀しきものや花ふぶく」野口清美▽教育長賞 内田彩▽観光協会長賞 大場みどり
 【川柳】市長賞「本懐を遂げし孫等を黄泉で笑む」後藤陽子▽教育長賞 大畠賀代子▽観光協会長賞 舘岡正樹
  【短歌】市長賞「ボラ漁に沸きし往時の富戸港を偲ぶよすがの魚見小屋荒ぶ」市川璋▽教育長賞 福田美子▽観光協会長賞 山本洋三

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