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下田市のマイマイ通り交差点 市管理のなまこ壁の公衆電話ボックス 撤去の危機

 下田市が、市道平滑中島線(通称・マイマイ通り)中島橋交差点の脇に建つなまこ壁の公衆電話ボックスを撤去する。内部の電話機が取り外され、機能を失った道路占用物を放置するわけにはいかないとの理由。設置の経緯を知る地元関係者からは撤去を惜しむ声が上がり、市民有志の間で存続と活用法を模索する動きも出てきた。
 電話ボックスはなまこ壁と銅板ぶきの屋根、時計が目を引くデザインで、都市計画道路として整備された同市道開通(1985年)を記念し設置された。維持管理は地元のマイマイ通り商店会が担ったが、会員店舗減少などで2017年の解散と同時に施設を市に寄付。その後は市が管理していたものの、携帯電話普及に伴う利用者減少で電話会社が昨年電話機を取り外し、箱だけが残っていた。
 市は機能を失った施設を道路占用物として放置することは好ましくないとし、いたずらされたり、破損して補修したりするリスクを考え撤去を決め、6月末を工期に工事発注した。その直後、地元関係者から解体を惜しむ声を聞き、着工を一時ストップした。
 関係者の思いをくんで市は、維持管理を継続的に実施する団体があれば撤去を中止し、道路占用許可を出す方向で検討する方針。「市と市民が手を携えて整備した都市計画道路の記念碑的な電話ボックス」と語る旧商店会の関係者(58)は市の柔軟姿勢を歓迎しつつも「21あったテナント店舗が7に減り、店主の高齢化、後継者難を考えれば、維持管理を行う組織を新たにつくるのは困難」と厳しい現実を打ち明けた。
 一部の市議、市民有志の間では存続と活用法を探る動きが始まっており、市建設課の担当者は「民間の現実的な提案をしばらく待ちたい」と話した。

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