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国立劇場へ伊東旧見番の芸妓衆 若手が市外初舞台

 伊東芸妓(げいぎ)置屋協同組合(伊東旧見番)で稽古に励む芸妓衆が19日に、東京・国立劇場小劇場で開催される第150回「松永会 長唄演奏会」(松永同門会主催)に出演する。若手芸妓らが伊東以外の舞台に立つのは初めての経験で、関係者は「伊東温泉のお座敷文化継承の意味でも、貴重な機会となる。先々代から3代、約100年にわたりお世話になっている家元に、ご恩返しする思いで臨みたい」と語る。
 
 長唄の八世家元、松永忠五郎さんを中心とした演奏会で、伊東旧見番は「吹き寄せ」で舞台に上がる。花見踊(はなみおどり)に続く道成寺の三味線の間に、伊東音頭を組み込んだ7、8分の演目で、本番を目前に芸妓衆の熱心な稽古が続く。
  5月末には家元が直々に東松原町の伊東温泉観光・文化施設東海館を訪れて若手で出演する由記さん、亜久里さん、佑紀さんらに稽古をつけた。「手習い妓(こ)の会」などで日頃指導する松永鉄文智(てつふみとも)さんは「春に続き、2度にわたって直接、ご指導いただいた。こんな機会は滅多にない」と語り、由記さんは「芸妓の数自体が少なくなってきているので、本番は『これぞ伊東の芸妓』という姿を見せられるようにしたい」と気を引き締める。
  19歳から伊東温泉の花柳界で活躍してきたえくぼさんは「この十数年は厳しい状況が続き、お師匠方にはそれを承知で温かな応援をいただいている。全国からお弟子さんが集まる国立の舞台で『旧見番の芸妓衆が頑張っている』ということを皆さまに知ってもらえたらうれしい」と話した。

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