東伊豆町稲取地区の天下の奇祭「どんつく祭」が今秋、5年ぶりに復活する。少子化やコロナ禍を踏まえ「夫婦和合、子孫繁栄、無病息災を祈願する」という“祭りの意義”をアピールする。稲取温泉旅館協同組合が主催し9月30日午後4時から、稲取温泉場特設会場で開く。飲食の出店や打ち上げ花火もある。
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地域の習俗にちなむ観光誘客イベントとして1966年に始まった。男性シンボルをご神体としたみこしが練り、太鼓演奏や花火大会などを繰り広げた。2日間開催で91~95年は宿泊者が7千人前後に上ったが、開始から半世紀を経る頃には2千人前後に落ち込んだ。主催した稲取温泉観光協会(当時)は「経費や労力に対し、集客効果が見込めない」として2018年に53回で幕を閉じた。
稲取地区の観光関連事業者が団結して企画運営するイベントがなくなり、地域の観光に対する関心が薄れていく状況に危機感を抱いた40代有志が中心となり、復活を目指した。町に加え観光庁の補助を受けて具体化した。
同組合は「過去の開催で外国人の評価が高かった。インバウンド需要のフックになるイベントとして位置づけた」と説明する。ポスター100枚に加え、PRチラシは片面は日本語、もう1面は英語表記で1万部を作製した。
出店は午後4時から、イベントは7時からで、神事に続きみこしが練る。ばかばやし、芸妓(げいぎ)踊りなども繰り広げる。翌10月1日午前11時~午後8時40分は「どんつくフードフェス」を催す。問い合わせは同組合〈電0557(95)2901〉へ。