熱海市伊豆山の土石流災害で警戒区域に指定されていた岸谷地区の民家に3日夜、発災から2年2カ月ぶりに明かりがついた。引っ越しを終えた小磯和雄さん(81)宅で、暗闇に包まれた被災地の一角に明るさが戻った。
小磯さんは一夜明けた4日、自宅での久しぶりの夜を「ぐっすり寝られた」と振り返った。水道水が濁っていたため料理ができず、久しぶりの自宅での夕食は外で買ってきた総菜などを食卓に並べた。風呂は契約が残る仮設住宅で入ったという。
水道は4日に使用できるようになり、生活に支障はなくなったが、近隣にまだ誰も住んでおらず、防犯面に不安が残るという。
小磯さんは「自分たちが帰ることで、少しでも多くの人が岸谷に戻ってきてくれたらうれしい。また、皆と話がしたい」としみじみ語り、仲間との再会を待ち望んでいる。