災害関連死を含め、28人が犠牲になった熱海市伊豆山の土石流災害から3日で、2年2カ月を迎えた。警戒区域が解除され、初めての月命日、被害の大きかった岸谷地区の原則立ち入り禁止だった場所には多くの遺族が訪れ、花を手向けて犠牲者を悼んだ。
夫を亡くした女性は、大きな花束を抱えて自宅のあった場所を訪れた。これまでは慰霊のための一時立ち入りはせず、月命日には警戒区域周辺で線香を上げてきた。被災後初めて自宅前に花を供えたという。
空き地となった自宅周辺を見渡し「全て無くなってしまった」と肩を落とした。「無念だったでしょう」と線香に火を付けると、涙声で経を唱えた。女性は「まだあの時から時が止まったまま。悔しい」と悲痛な思いを語った。