• 特集
    新年号特集

英龍が指揮「品川沖台場」 建設170年 海防への思い十数点―伊豆の国・江川邸

 伊豆の国市の国重要文化財「江川邸」で21日、企画展「品川沖台場建設170年」が始まった。江川英龍の指揮の下、1853年に完成した品川沖台場に関する資料十数点を展示した。江川邸を管理する江川文庫スタッフは「資料から、英龍の海防への強い思いが伝わってくる。時代に必要とされ、日本のために力を尽くした姿を感じてもらえると思う」と話した。12月19日まで。
 
 米国艦隊を率いるペリーに開国を迫られる中、幕府は海防の建議書を提出していた英龍に海上砲台「台場」の建設を命じた。英龍は当初、三浦半島の観音崎から房総半島の富津を防衛ラインと考えていたが、費用と時間がかかり過ぎることから江戸城を守る品川沖に変更された。当初11基を予定していた品川沖台場だったが、日米和親条約の締結を受けて6基が完成したところで築造が終了した。
 企画展では、軍艦・大砲の必要性を幕府に訴えた「外国事情申上候書付」、下田に入港した英国船マリナー号を退去させた経験を基に大砲・台場・戦艦の重要性を訴えた建議書などで、英龍の海防意識の高さを紹介した。台場築造事業に関する入札文書や大砲配備状況絵図、試し撃ちの様子を描いた「品川沖台場試発図」などの資料を展示した。
 企画展に合わせて今月30日、日大国際関係学部の浅川道夫教授による講演会を開く。当時の献立を再現した料理を味わう食事会も開催する。参加費は講演会千円、食事会3500円。
 企画展の問い合わせと講演会・食事会の申し込みは江川文庫〈電055(940)2200〉へ。

      教育・学校・文化

      最新記事

      伊豆新聞 デジタル お申込み
      ご購読申し込み月は無料

      ニュースカレンダー

      お知らせ