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英龍の韮山塾「門人録」完成 6255人分、3分類し紹介―伊豆の国

 ■3年かけ学芸員橋本さん
 
 幕末の伊豆韮山代官江川太郎左衛門英龍が開設した韮山塾の塾生名簿「江川英龍門人録」がこのほど完成した。本紙に「伊豆の津津浦浦」を連載中で、江川家の資料を管理する江川文庫の学芸員橋本敬之さんが、3年がかりでまとめた。6255人を、入門順、所属別、五十音順の三つの分類で紹介した。
 
 橋本さんによると、これまで英龍の門人として4005人が確認されていた。今回、新たに見つかった資料によって2250人の存在が新たに判明した。
  英龍が1842年に始めた韮山塾は、55年まで韮山で入門を受け付けた。英龍の死後、英龍の長男英敏や韮山の門人らによって江戸で引き継がれ、67年まで入門を受け付けた。
  幕末に藩は266あり、そのうち167藩から2697人が入門しているという。橋本さんは「英龍の残した教育が、近代に日本をつくる礎になったことがよく分かる。全国から門人が集まったことにより、ネットワークの拡大にも役立った」と、改めてその存在のすごさをたたえた。
  門人録には農兵修行人名簿、高島流砲術門人姓名簿、英龍鉄砲方与力同心名簿も掲載された。橋本さんは「農兵の訓練には、韮山周辺や三島、富士宮などから農民が参加した。もしかしたら知っていたり聞いたことがあったりする人の名が載っているかもしれない」と話した。
  門人録は入門順、所属別、五十音順がそれぞれ1冊にまとめられており、価格は各2800円(税込み)。問い合わせは江川文庫〈電055(940)2200〉へ。

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