石に水を掛けて独自の世界観を表現する「養石」を半世紀にわたり、趣味で続けている伊豆市門野原の清水千代正さん(88)がこのほど「白糸の滝」をイメージした自身の傑作を完成させた。「長年大切に世話し、やっと思い通りの形になった」と満足そうに話している。
石は20年ほど前、自宅付近の狩野川河川敷で採取した。高さ40センチ、幅35センチ、重さ30キロほどの天然石。当初から名瀑(めいばく)「白糸の滝」の姿が思い浮かんだという。幾筋もの絹糸を垂らしたような滝を強くイメージしながら、ホースや噴霧器で朝晩の水やりを丁寧に続けてきた。その結果、白い石肌の細い8本筋を残すように絶妙な形でコケが育った。てっぺんには「岩松」と呼ばれる山野草も生え、さらに趣が増した。
独学で養石を続ける清水さんは「20年かかった自然との共作。趣味の集大成で、納得いく出来栄え」と喜んでいる。白糸の滝以外にも、浄蓮の滝や河津七滝(ななだる)・大滝(おおだる)などに見立てた石もある。見学希望者は、事前に清水さん〈携帯080(3652)4310〉へ。