伊豆の国市の韮山高野球部に、選手の夢は諦めたがユニホームを脱がずにチームを支える女子部員がいる。牛田こころさん(2年)で、ノックや打撃投手など自分のやれることを探し、チームに貢献する。「皆が頑張っている姿を見てきた。勝ち進んでほしい」と、29日に開幕する「第107回全国高校野球選手権静岡大会」でのチームの躍進を願い、日々汗を流している。
三島市出身で、小学3年から地元のクラブチームでソフトボールを始め、北上中ではソフトボール部に所属した。小学5年からは捕手一筋で、打撃では主軸を担ってきた。
高校も野球部に入部したが、先天性の股関節の病気で手術が必要となり、昨年8月から数カ月、入院や松葉づえでの生活が続いたという。
退部も考えたが、部活動をやめたくない―と、2年進級時からはマネジャーでもなく選手でもない、サポーターという立場でチームを支えようと決心した。
キャッチーボールの相手や球拾いなど、選手たちの動きを見ながら練習を補佐し、率先してグラウンド整備も行う。
牛田さんは左投げ左打ち。武井淳監督は「ノックは右打ちの私の打球と違うし、打ち損じもある。きれいな打球ばかりでなく、より実戦的な捕球練習になる」と効果を挙げる。鈴内空主将は「選手の気持ちも分かるので、助かる」と感謝する。
ノックはネット打ちで特訓し、5月から打ち始めた。牛田さんは「もっと強い打球が打ちたい」とはにかむが、「勝つとうれしい。勝利に貢献するという自分の居場所が見つかった。甲子園に行ってほしい」。そう言うと、グローブをはめてグラウンドに飛び出した。同校は12日に初戦を迎える。
