伊豆市土肥の観光施設「土肥金山」の呼び物の一つ、250キロの巨大金塊の展示が31日で終了する。運営する土肥マリン観光が管理コストの上昇を踏まえて、決定した。世界最大級の金の延べ棒が同施設から消える。
社会的な物価高に伴い、保険代の高騰など金塊を保持し続けるための各種経費の増加を考慮して判断した。巨大金塊は所有する親会社の三菱マテリアル(本社・東京都千代田区)に返却する。
巨大金塊の横にある12・5キロの金塊も17日で展示をやめる。今後はレプリカを展示する予定。
巨大金塊の底面の大きさは長さ45センチ、幅22センチ、高さ17センチ。2006年2月にギネスブックに世界一の認定を受けている。
同施設によると、金相場の高騰で金塊の価値は上がり、6月16日に最高値44億1900万円を記録したという。05年の設置時の価格は4億円で、20年で約11倍に跳ね上がった。
ケース内の金塊には触れることができ、人気だった。東京都台東区から来た平野知美さん(29)は「触れていい思い出になった。インパクトがあったので残念」と語った。
同施設は大型連休中、過去最多の1日2千人の人出を記録していたという。国分歩課長は「金塊を楽しみにしていた人には申し訳ないが、砂金取りや坑道見学ができるので、社員一丸となって引き続き楽しんでいける施設を目指していきたい」と語った。