函南町などで11日、インバウンド(訪日客)獲得に向けて伊豆地域の仏像を紹介するモニターツアーが行われた。県がスタートアップ(新興企業)の発想力や技術力を活用してつくったツアーで、来年2月からの販売を目指す。欧米向け旅行サイトの外国人社員らを招待し、仏像の魅力や地域の信仰の歴史を紹介した。
インバウンド誘客は自治体ごとに個別の課題を抱えているとして、県が市町と新興企業のマッチングを主導し、ツアーなどの旅行商品をつくる事業。本年度は県を含む7自治体の課題解決を目指し、伊豆地域からは東伊豆町と下田市が参加している。事業費は約2300万円。
モニターツアーは、運慶作の仏像がまつられる願成就院(伊豆の国市)やかんなみ仏の里美術館(函南町)などを巡った。同町の長源寺桑原薬師堂では仏像の制作体験を行い、伊東市八幡野の仏師兼ジオガイド山崎仁さん(45)の指導で手のひら大の木彫りの地蔵を作った。体験した英国人のライアン・ノーベルさん(33)、イタリア人のダビデ・チニリさん(30)は「雑念や悩みを忘れられた」「家族や友人と楽しみたい」と喜んだ。
モニターツアーは県の文化財の認知度向上を目指し、沼津市の旅行業「モズラボ」が考案した。
同社の森田知美取締役は「静かな空間での体験を通じ、日本人の精神性に触れられる内容にした。京都や奈良の混雑が苦手な人を取り込みたい」と話した。
