沼津特別支援学校伊豆田方分校3年の岩田大陸(りく)さん=函南町仁田=が作る想像の乗り物や動物を題材にしたペーパークラフト作品が、独自のデザインとその精巧さで注目を集めている。自分の好きな世界を追求して、このスタイルを完成させた。設計図はなく、頭に浮かんだ形をもとに方眼紙を切り貼りして一つの作品を仕上げる。
岩田さんは小学生のころから工作が好きだった。今年に入ってから、方眼紙を使った作品を作り始めた。加工がしやすく、イメージを実際の形にできるところが魅力だという。はさみとデザインナイフで部品を切り出し、ホットボンドで接着する。
スタジオジブリのアニメ「ハウルの動く城」「天空の城ラピュタ」が好きで、その世界からインスピレーションを得た。蒸気機関や歯車を駆使した機械が活躍する世界を表現する「スチームパンク」からも影響を受けた。
「飛行船」は、木造船が空を飛ぶイメージで作った。船体には天体望遠鏡やランタン、捕鯨銃など大航海時代を思わせる部品を取り付けた。ラクダは砂漠を進むために必要なクレーンアーム、ボイラー、水槽など装備した「メカラクダ」に仕上げた。体のあちこちに歯車やバネを付け、雰囲気を出した。
作り始めると、食事も忘れて丸1日没頭してしまうこともある。「飛行船」は1週間ほどで完成させた。「集中すると時間を忘れてしまう。畳の上に座って作業するので、腰を痛めてしまったこともある」と苦笑いで話した。
次に作るのは動かない鳥としてしられる「ハシビロコウ」。「柔らかな丸みを帯びた体を表現するのが楽しみ」と目を輝かせる。もちろん歯車をたくさん取り付けて、自分ならではの作品に仕上げるつもりだという。