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成福寺、本堂屋根を改修 「瓦型チタン」県内初採用―伊豆の国

 鎌倉幕府8代執権北条時宗の子、正宗が建立したと伝わる伊豆の国市四日町の成福寺で9日、本堂の屋根改修が無事終わったことを祝う落慶法要が営まれた。東京・浅草寺のために開発され、同寺が第1号となった「瓦型チタン」を県内で初めて採用、強度を格段に高めた。県内外の僧侶、檀家(だんか)ら90人が集い、安心安全な本堂の改修を祝福した。
 
 同寺本堂は1989(平成元)年に新築したが、20年ほど前から大型台風などによる瓦の飛散が起こるようになった。暴風でも落ちない安全な瓦を探していたところ、従来工法と比べ13分の1の軽さながら、頑丈な「チタン製の屋根」に改修することになった。腐食やさびに強く、屋根材としては最も硬い部類の金属になるという。
 年明けから工事を進め、8月末に完成した。寺の資金と護寺会積み立て金、檀家をはじめとした寄付協力などによって改修が実現した。
 法要は読経や入退場に雅楽を交えた荘厳な儀式となり、僧侶が笙(しょう)や竜笛、楽太鼓などを演奏した。第21代の北条親善住職(65)は「大型台風や地震が来ても瓦が飛散したり、重さで倒壊したりする心配をしなくて済む。安全安全にお参りしてもらえる環境が整った」と話した。
 同寺は、正宗が元寇(モンゴル軍の襲来)で亡くなった人々の菩提(ぼだい)を弔うため、鎌倉から伊豆に移って開いたとされる。

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