伊豆市湯ケ島のワサビ田で、植え付けられた水ワサビ5千本近くが何者かに盗まれた。被害者やJAふじ伊豆伊豆の国地区修善寺営農経済センターによると、被害額は最低でも200万円を超え、300万円に迫る可能性も。盗難ワサビの処理は手慣れていて、生産に詳しい人の犯行とみる向きがある。同JAは14日までに、伊豆半島全域のワサビ生産者組合などに注意を呼びかけた。
湯ケ島の80代男性のワサビ田が被害にあった。男性が5千本植え付けたほ場の8割(約2アール)、軽トラック1台分のワサビが盗まれた。太物ばかりが引き抜かれ、茎葉は刃物とみられる物で切り落とされ、大量に現場に残されていた。出荷するかのような下処理で、さらに切り口がつぶれずきれいだったため、ワサビの取り扱いを理解した者による犯行の可能性がある。
男性によると、8日午前、被害に気付いた。ワサビ田を囲う防獣ネットが切り裂かれ、抜いたワサビを縛ったとみられるビニールひもや新品の刃物ケースが近くに落ちていた。
ワサビ田は人の目につきにくいうっそうとした山の中で、農業用モノレールを使わないと生産できない高所にある。山中に人の足跡や滑った跡が見つかったという。
今年は昨年に比べ雨が多く、高品質のワサビが期待されていた矢先の出来事だった。男性は「8月に収穫しようと思っていたのに」と肩を落とした。
同JAによると、大規模なワサビの盗難は少なくともここ20年は確認されていない。各組合に文書を回し、ワサビ田の定期巡回や不審な人物、車両の情報共有などを求めた。男性は伊豆中央署に被害を届け出た。
ワサビの現在の市場価格は1キロ約1万円。
