下田市柿崎の弁天島と「ハリスの小径」でこのほど、巨大な石の落石が相次いで発生した。けが人はなかったが、弁天島の現場付近は立ち入りが制限され、小径は通行止めに。弁天島は吉田松陰が黒船への乗船を企て小舟をこぎ出した史跡で伊豆半島ジオパークのジオサイト、小径は初代駐日総領事ハリスが散策したとされる海岸の遊歩道と、いずれも下田の観光名所。地元関係者は「安全が第一」としつつも観光への影響を心配している。
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弁天島の落石は今月7日午前5時半ごろに発生した。瞬間を見たとされる漁業関係者から話を聞いたという柿崎の遠藤由起夫区長は「『ドスン』というものすごい音がして水しぶきが高く上がったようだ」と説明。現場を確認したところ、弁天島海岸側ジオサイトの地層「斜交層理」の一部が大きくはがれ落ちていたという。
海岸に落下した斜交層理の塊は縦約5・5メートル、横3メートル、高さ2・5メートル。区は海岸への立ち入りを制限し、来遊客の安全を確保した。
小径の落石現場は土屋義彦記念碑「至誠通天」の南約30メートル。4月6日、散策中の地元住民が発見した。市によると、遊歩道沿いの岩崖から縦、横各約6メートル、高さ3メートルの巨石が落下し、崖下の樹木をなぎ倒して遊歩道をふさいだ。遊歩道を管理する市は全線を通行止めとした。
小径の復旧は、一帯の土地所有者である柿崎財産区が遊歩道をふさぐ巨石を除去し、崖の安全対策を実施する方向で検討中。工事は梅雨明け後になる見通しという。弁天島については海岸に落下した巨石を含めて風化や浸食で姿、形を変えていくものとし、海岸管理者である県下田土木事務所も「崩れた場所は民地であり、対策工事は考えていない」と説明した。
遠藤区長は「弁天島は吉田松陰や歴史、地層見学が好きな人がよく訪れる。観光客には申し訳ないが、海岸への立ち入りを制限するしかない。注意喚起に努める」と話した。
