伊豆市の月ケ瀬学区地域づくり協議会(鈴木哲哉会長)と地元有志団体「矢熊地区防災を考える会」(堀江清一会長)は、矢熊地区のハザードマップを作っている。誰一人取り残さないために、地区内の危険箇所や避難の支援が必要な人の住宅など、市のハザードマップには掲載されない細やかな情報を盛り込んだ。一地域が独自にハザードマップを作るのは全国的にも珍しく、防災福祉の専門家の関心も集めている。12月に地区の各戸に配布する。
マップには▽倒木や土石流の恐れがある箇所▽安全な区域▽1次避難所▽避難経路―などを掲載した。さらに一人暮らしの高齢者や身体的援助が必要な人が暮らす場所を示し、避難の際に声をかける。作成に協力した静岡大の内山智尋准教授や市社会福祉協議会の職員は「支援が必要な人がどこに住んでいるか把握できていて素晴らしい」などと評価する。避難経路の目印となる建物を住民の間で日常的に呼ばれる屋号で示すなどし、住民が使いやすいマップにした。
このほど、マップのお披露目会を矢熊の真正寺で開いた。住民が多数参加し、内容を確認し意見を交換した。
市によると、11月現在、矢熊地区は56世帯125人が暮らす。地区には三つの川と二つの沢があり、住民の防災意識は昔から高い。マップを作った同地域づくり協議会は、月ケ瀬学区内の他地区にもマップ作成の動きを広げていきたい考えだ。鈴木会長は「マップを作ることで、地区の危険な場所や災害弱者を把握し、自分たちで命を守ることができる」と意義を語る。
