伊東市の田久保真紀市長は3日午前、市役所で市議会の正副議長を訪ね、40分以上にわたり会談した。中島弘道議長によると、百条委員会設置の停止を要求されたものの、「こっちは粛々とやるだけ」と応じなかった。
会談は非公開。中島議長は「とにかく百条委をやめてほしいという話ばかりだった。『もし即日辞職するならやめられるかも』と伝えると、『辞職してもやられる』と応じられた」。市長側から進退や謝罪の言葉はなく、卒業証書らしき文書は持参しなかったという。青木敬博副議長は「昨日の会見で分かるが、支離滅裂な話が続き会話にならない。打ち切った」と話した。
田久保市長は報道陣の問いに答え「私の方からお願いをしたということではなく今、百条委を開くのが伊東のためになるのか、忙しい夏を迎える伊東のためにならないのではないか、という話をした」と述べた。進退に関し「業務をこなして今年の夏を乗り切りたい」と続投の意思を語った。
■除籍者「卒業証書交付ない」 東洋大広報が回答
東洋大広報課が3日、本紙の取材に応じ除籍者に対して卒業証書が交付されることはないとの見解を示した。田久保真紀・伊東市長は東洋大を除籍となっているが6月4日、卒業証書らしき文書を市議会議長や秘書広報課長に見せていた。出所不明の証書に対し、市民や市議会からは私文書偽造を疑う声が一層高まっている。
本紙は同大広報課に、一般的な事務処理で除籍者へ卒業証書を交付するケースがあるか質問したところ、「ございません」と回答を得た。卒業見込みの段階で証書を交付することもなく、証書が交付された後に除籍となるケースもないという。除籍が決まると、保証人宛てに除籍通知書が送付される。
田久保市長は2日夜、報道陣から証書らしき文書の入手経路を問われ、「持っていた。確認させてほしい。大学側の責任にもなる」とし、「何月何日にもらったか記憶にない。学校から出て、受け取っているから卒業証書。学校から受け取った認識」と述べた。