「珍魚」とされる「クサアジ」が熱海市の網代港にこのほど、水揚げされた。名前に「アジ」が付くが赤マンボウ目に属し、リュウグウノツカイの仲間となる。一般に流通することがないため鮮魚店や漁業関係者に知られる機会も少なく、買い付けた宇田水産の宇田勝社長は「初めて見た」と目を輝かせている。
クサアジは平たい体にくっきりとしたしま模様と大きなひれが特徴。日本では青森、宮城、千葉県、神奈川、三重、新潟、島根など広く分布する。まとまった水揚げは少なく、市場には出回ることがほとんどない。
網代で揚がったクサアジは体長30センチ、重さ約500グラムで、定置網に入った。定置網を管理する網代漁業の担当者によると、年に数回掛かることがあるが1、2匹のため、認知度は低いという。
人気のない魚とまとめて競りに並び、宇田社長が目を付けた。宇田社長は魚に詳しい知人に問い合わせたところ「クサアジ」と分かり「本当に珍しい魚」と返答を得た。熱海魚市場で50年以上勤務する職員にも尋ねたが「見たことがない」と珍しがられたという。
宇田社長は「熱海の海は面白いと改めて思った。珍しい魚を通じて、海に興味を持つ人が増えたらうれしい」と話した。現在、冷凍保存して今後の活用を考えている。
