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ブリの鮮度保持、販路拡大へ いとう漁協・川奈定置網 血抜き処理機械を試験導入

 いとう漁協が直営する伊東市の川奈定置網は3月初旬から、船上でブリの血抜きができる機械を試験的に導入している。これまでは漁獲した全てのブリを氷水で締める「野締め」で処理してきたが、効率的な血抜き作業によってさらなる鮮度保持が実現。現在は機械の購入に向けて準備を進めており、同漁協の杉本博輝・定置担当理事は「ブリ漁で血抜きの機械を活用しているのは珍しく、県内初ではないか。卸したブリは評判が良く、魚価向上や販路拡大につながれば幸い」と期待を寄せている。
 機械は熊本県の会社が製造し、日東製網からサンプルを借りている「一本締め活魚ライン」。ケースに入れたブリを所定の位置に固定した後、レバーを手動で下ろし、二つの刃によってエラ部分に切り込みを入れる仕様。同定置網によると、ブリ漁は野締め処理が主流だが、血抜き処理による活(い)け締めを施すことで鮮度を長く保ちながら臭みも抑えることができるという。
 3日の漁では漁業者18人が機械を積んだ漁船に乗り、川奈港から沖合に向かった。網にかかった約5トンのうち、1トン300キロほどを機械で次々と血抜き処理し、海水できれいに洗って魚槽に入れた。その後、同市と沼津市の魚市場に水揚げした。
 鮮魚店やスーパー、伊東市外のすし店などの買い手からは「身質が優れている」と好評だという。
 杉本理事は「漁師全員がより良いブリを届けようと精を出している。新たな取り組みが奏功することを願う」と語り、県定置漁業協会の菊地隆雄事務局長も「漁獲物の付加価値の上昇、漁師の収入増加に期待する」と話した。

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