河津町浜の私設植物園「伊藤植物園」は、長距離を移動するチョウ「アサギマダラ」の飛来シーズンを迎えている。秋の七草の一種、フジバカマが咲く園内で、華麗に舞う姿が見られる。
園長の伊藤武雄さん(81)によると、今季はフジバカマの開花、アサギマダラの飛来ともに遅れたという。「暑さが影響していると思う。飛来数も例年に比べて少ない」と話す。それでも多い日には数十頭が飛来するようになった。
今夏は一部のフジバカマが白絹病で枯れたため株を植え替え、伊藤さん自身もがんで手術をするなど困難を乗り越えての開園で、「乱舞は見られないけれど、アサギマダラが舞う姿は楽しめる。きれいなチョウを見ながら園内でゆっくりと過ごし、皆さんに元気になってもらえたらうれしい」と語った。
同園は10年ほど前から伊藤さんが相模灘や伊豆七島を望む山の斜面を切り開いて整備した。今季は11月末まで、園内を無料公開する。
時間は午前9時~午後5時。問い合わせは伊藤さん〈携帯080(1580)1628〉へ。