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原木の実で念願 ワイン製造 「ピオーネを世界へ」―伊豆の国・加々見さん

 ピオーネ発祥の地として知られる伊豆の国市で原木を守り続ける、ピオーネ開発者の孫で、同市小坂の「サン・ヴァンサンファーム」の加々見宏子さん(80)が、原木から採取した実で念願だったワインを初めて製造した。伊豆市の中伊豆ワイナリーヒルズに協力を仰ぎ、完成にこぎつけた。加々見さんの誕生日に合わせ、23日に発売される。加々見さんは「ピオーネを世界へ広げたい」とさらなる情熱を燃やす。
 
 加々見さんはピオーネをより多くの人に知ってもらうため、生食で提供するのではなくワインにしようと考えた。大病を患って入院したのをきっかけにワイナリーに直談判。昨年8月の収穫に向け、一昨年からワイナリーの農場担当者が栽培をサポートしている。
 剪定(せんてい)から約1年かけ、原木から約70キロを収穫。ワイン40本が出来上がった。ロゼワインで価格は8800円(税別)。ワイナリーで販売する(発送は25日以降)。
 手伝うワイナリー農場責任者の塩谷友一朗さんは「しっかりとした味に仕上がった。ワイン用の品種のブドウで作ったかのよう。原木の樹勢も戻ってきた。貴重な資源を守りたい」と語った。
 ピオーネは育種家・故井川秀雄さんが巨峰とカノンホール・マスカットを交配させ、1957(昭和32)年に誕生。73(同48)年に種苗登録された。原木は樹齢60年を超える。
 井川さん没後は加々見さんの叔父などが農園を引き継いだが、後継者がいなくなり荒廃。祖父の畑を守ろうと加々見さんは一からブドウ作りを勉強し、周囲の協力を得て20年間維持してきた。
 20年前に加々見さんはノートに「守る、つなぐ、世界へ」としたためた。「ワインは世界中の人が飲む。多くの人に伊豆の国がピオーネ誕生の地ということを知ってほしい」と夢を膨らませる。
 原木の実は沼津市のメーカーがボタニカルとして採用し、昨年11月からクラフトジンでも販売されている。

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