熱海市は、小学校低学年から家庭学習の習慣を身につけてもらおうと、学習の「頑張り」を可視化できるコクヨのIoT(モノのインターネット)文具「しゅくだいやる気ペン」を第二小に導入した。児童が家庭で取り組む学習の様子をデジタルで見える化し、学習意欲の向上を図る。市は本年度から取り組みを始め、効果が確認されれば他校への展開も視野に入れていく。
同ペンは、鉛筆に取り付けて使うアタッチメント型の学習ツール。紙に文字を書く動きを感知して内蔵の発光ダイオード(LED)が光り、「やる気パワー」が蓄積される。光の色の変化で努力の度合いが示され、子どもたちは楽しみながら学習に向かえる。
学習後はペンに蓄積されたデータをスマートフォンやタブレットの専用アプリに送信。アプリ上では「やる気の実」が得られ、すごろく形式の画面でマス目を進めることができる。ゴールするとご褒美がもらえる。
10日には、同校で2年生22人が同ペンを体験し、100マス計算に取り組んだ。門松和昭さんは「色が変わるのが楽しくて、もっとやりたくなった」と笑顔を見せた。坂上洋校長は「児童が自主的に学ぶきっかけとなり、習慣につながればうれしい」と話した。
児童は今後、家庭での学習時にも同ペンを使用し、取り組みの内容はアプリを通じて記録・管理する。市教育委員会は、家庭学習の時間や児童の意欲の変化を一定期間観察、検証していく。
水野秀司教育長は「頑張りの〝見える化〟が子どもたちの自己肯定感を育む一助になる。友達同士でも『こんなに勉強したよ』と自然に認め合う関係が広がることを願っている」と期待を寄せた。