伊東市松原本町で40年以上続く絵画教室「工房ルソー絵画研究所」講師で画家の水田彩生さん(43)が、足の踏み場もなかった教室の倉庫を大規模改装し、ギャラリー「garden―B(ガーデン・ビー)」を造った。父親で教室を主宰する画家大輔さん(72)への感謝を込めたギャラリーで、知人や教室生と1年以上かけて完成させた。企画展第1段として、大輔さんの作品200点以上を飾っている。
約33平方メートルの倉庫を改装した。彩生さんの知人で物づくりや修繕が得意な渡辺晃充さん(51)を中心に、床や壁を貼り直したり棚を付けたりし、倉庫に眠る父親の作品を並べた。
ギャラリーづくりのきっかけとなったのは、父親ががんの宣告を受けたことだった。彩生さんは「絵を描くことが父の人生で、私も父のおかげで絵を描けている。本物の画家が描いた絵を気軽に見られる場所が必要だと思った」と振り返る。教室生の「お父さんの傑作を見たい」や「自分の作品を飾る場所が欲しい」という声にも後押しされた。
大輔さんの体調は回復し、元気に教室生を指導している。完成したギャラリーを見て「絵を描くことも鑑賞も楽しめる場所になった」と喜んだ。彩生さんは「父の展示以外にもやりたいことがたくさんある。子どもも大人も美術の楽しさに触れられる場所にしたい」と語る。
大輔さんの作品展は9月末まで。その後は教室関係者のみに貸し出し、ゆくゆくは地元作家や市民に広く貸し出す。ギャラリーの営業時間は絵画教室の時間に準ずる。
問い合わせは水田彩生さん〈電090(1746)1807〉へ。