伊豆市湯ケ島の弘道寺の裏庭で、ラン科のエビネの展示会が開かれている。山居英明住職(70)が40年以上丹精するコケ庭を新緑の時季に多くの人に訪れてもらおうと、檀家(だんか)でエビネ愛好家の田村久敏さん(75)=湯ケ島=が企画した。風情を感じさせる空間に甘いにおいが漂い、来訪者を楽しませている。22日まで。
竹やぶを切り開き山の斜面を生かして造成した和風庭園で、広さは斜面を含めると300平方メートルを超えるとみられる。六方石や岩を運び込み、湧水を引いて池も造った。檀家から寄せられた低木や花、山野草が彩りを添え、池や灯籠の周りにはスギゴケやヒノキゴケがこんもりとむす。
裏庭は普段人が立ち入らない場所とあって地域にもあまり知られず、田村さんは住民が訪れる機会を考えた。神津島原産とされる品種「織姫」約20鉢を持ち寄り、庭にずらりと並べる。田村さんは「娘のように育てた自慢のエビネで、色や香りが日に日に濃くなる。コンパクトな庭園に合う」と語る。
裏庭は現在、クマガイソウやムラサキツツジ、シャクナゲが咲き、モミジが青々と茂る。境内では井上靖ゆかりの瓊花(ケイカ)も見頃を迎えている。山居住職は「一年の中で新緑の時季が一番いい。檀家さんと造り上げた庭を多くの方に見てほしい」と語る。
エビネの展示時間は午前8時~午後4時。19日午後以降は本堂内で展示する。
