伊豆市修善寺の修禅寺で、修禅寺紅寒桜が見頃を迎えた。淡紅色の花が青空に映え、参詣者の目を楽しませている。
境内には原木を含め4本が植わる。特に本堂西側に植わる1本は樹高10メートルを超え、空に向かって大きく枝を伸ばし、華やかないでたちで注目を集める。
近隣住民によると、例年より2、3週間ほど早く咲き進んだ。今週末までは楽しめそう。
「遺伝研のさくら」(第6版)によると、修禅寺紅寒桜はカンヒザクラとオオシマザクラの種間雑種とみられ、河津桜のような色の花を咲かせる。横に枝を広げる河津桜と違い、ほうき状の樹形が特徴。修善寺小校庭や修善寺温泉場などにも植わり、地域では「修善寺寒桜」の名でも親しまれる。
■「曹洞宗ゆかりの桜」情報得る 市民有志
修禅寺紅寒桜をさらに地域に根付かせようと、桜を愛する伊豆市民有志が紅寒桜の調査、発信をしている。紅寒桜に関する資料は乏しく、原木の導入元や植栽時期など不明な点が多く残る。有志は紅寒桜のルーツを独自にたどり、桜の認知度向上へ奮闘している。
小川晶子さん、勝又千文さん、原美也子さんが取り組む。3人は紅寒桜らしき桜が植わる松崎町の禅宗院を訪ね▽原木は昭和6、7年頃、禅宗院が晋山式(しんざんしき)の記念樹として修禅寺に贈った▽当時の修禅寺と禅宗院の住職は師弟関係にあった―などの情報を口伝で得た。情報の正誤は分からないものの、3人は「曹洞宗の縁がある桜だと分かった」と喜ぶ。
3人は修善寺桜の調査保全もしていて、旧修善寺町ゆかりの2種の桜を郷土愛醸成や観光振興に役立てたい考えだ。2種の桜を住民や観光客に紹介するパンフレットの作製にも意欲を見せている。小川さんは「100年近く温泉場で親しまれる修禅寺紅寒桜を、修善寺桜と合わせて後世に残したい」と語る。
