伊豆の国市の兄弟が販売するルアーが、全国の大物釣り愛好家たちから注目を集めている。手がけるのは宗光寺のプラスチック射出成形業「東海化成工業」の矢田裕介さん(49)、健一郎さん(40)で、釣り好きが高じてルアーの製造、販売を始めた。これまでにはなかった内部で反射板が回る仕組みを取り入れ、評判が口コミで広がり、取扱店舗も増えてきている。
兄弟は小学生の頃から釣りに親しみ、今はマグロやヒラマサ、カジキなどの大物を狙って全国に出かける自称“釣りバカ”。こんなルアーがあったらいいな―と考えるうちに、創業30周年を機にルアー製造に乗り出した。
内部で反射板がくるくる回転する構造を思いつき、実用新案登録に申請。2024年6月下旬に認められた。
金型を作り、本業の合間に生産を開始。24年8月から付き合いのあった2店で発売し、翌月には5店、現在は九州から千葉までの11店舗で販売している。
簡易プールを組み立て、裕介さんが試作品を泳がせ、水中めがねを付けた健一郎さんが潜って動きを確かめ、改良を重ねたという。
ルアーは「ヤッターペンシル200」と名付けた。20センチのマグロ用とスズキ用で、価格は7700円(税込み)。大量生産でなく、一つ一つをハンドメードで製作する。デザインを裕介さん、反射板の貼り付けを妻の理恵子さん、組み立てや塗装を健一郎さんが担当する。
裕介さんは「自作のルアーで初めて釣り上げた時の安堵(あんど)感は忘れられない。これからも知る人ぞ知るマニアックなルアーを開発していきたい」と意気込みを語る。
販売店は「ヤッターペンシル」で検索する。