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未活用魚の酵母でビール 熱海千魚PJが6月1日から販売―熱海

 大きさや漁獲量の問題で市場に出回らない「未活用魚」の酵母を使ったクラフトビールが熱海市で誕生した。開発したのは同市で活動する「熱海千魚ベースプロジェクト(PJ)」(水野綾子代表)で、県工業技術研究所の沼津工業技術支援センターと2年かけて進めてきた。魚の酵母を使ったビールは全国的に珍しく、県内では試験開発を除いて初とみられる。6月1日からネット販売を開始し、シリーズ化を目指す。
 第1弾として同市で水揚げされた「タカノハダイ」から抽出した酵母を活用したペールエールを発売する。口当たりが軽く、苦みも軽やかな味わいに仕上げた。350ミリリットル缶で、価格は1本925円(税込み)。公式通販サイトで取り扱う。
 同PJは熱海の海を拠点に海を学ぶ場の創出に取り組み、未活用魚の加工品開発もしている。商品開発は魚を活用できる良さがある一方、特定の未活用魚の安定供給が難しい、魚の乱獲につながる懸念、といったジレンマを抱えていたという。
 魚を大量消費せず、未活用魚を知ってもらいたい―と酵母に着目。食事に合わせて家で楽しめることから、ビールの開発を考案した。約10種、20個体の内臓から酵母を採取し、うちタカノハダイ、カゴカキダイ、ミズカマス由来の3株がビールに使えることが判明した。
 水野代表は「魚から酵母が取れる謎は解明されていない。センターの人に『取れたらラッキーだと思って』と言われた」と振り返る。
 富士宮市の醸造所の協力で今年4月に仕込み、5月に完成した。初回製造は700本。商品名は「アタミフィッシュビア」で、今後は残りの2株を使ってホップの風味や苦みの強い「IPA(インディアペールエール)」などの醸造も予定する。
 水野代表は「海を見ながら飲んで、穏やかな気持ちになってほしい」と話した。

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