東伊豆町の稲取文化公園に珍鳥とされる「ヤツガシラ」が飛来し、公園利用者や野鳥愛好家らの話題を集めている。日本野鳥の会南伊豆の土屋恵一郎支部長(70)によると、大陸に分布する旅鳥で「この辺りでは何年かに一度見られるが、珍しい鳥」と話した。
広げると扇状になる大きな冠羽(かんう)が特徴で、くちばしは細長く、翼と尾羽のしま模様も目を引く。主に春と秋に日本を通過する。伊豆半島では5年前にも観察例があるという。
公園内に事務所を置く稲取温泉旅館協同組合の職員は10日朝、芝生の上にいる珍しい鳥に気付いた。「青々とした芝生の上で鳥が動いているとすぐに分かる。いろいろな鳥が来るけれど、今まで見たことのない鳥だった」と振り返り、日中度々飛来して芝生をつつくヤツガシラを見守った。
土屋支部長は「人家の近くの芝生に来て、虫を食べているのだと思う。旅鳥なので何日かとどまって、またどこかへ行くのではないか」と推測した。同会のメンバーによると、稲取文化公園に飛来する数日前に、河津町でも観察されたという。