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旧永田家住宅(南伊豆町)の主屋・石壁など4件が国登録有形文化財建造物

 明治中期ごろの建物で、南伊豆町の山間部に建つ旧永田家住宅の建造物4件が、新たに国登録有形文化財に登録される見通しとなった。国の文化審議会が19日、県内では同住宅を含む6件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申した。同町内の建造物が国登録有形文化財となるのは初めて。同所は地方の建築物を再生、活用する事業を展開する「Pendant(ペンダント)」(本社・東京都千代田区、坂田華代表取締役)が所有し、2027年には古民家宿として開業する予定。
 4件は明治時代に地主の永田弥三治が居住するために建てたとされる住宅の主屋、蔵、長屋門、石垣と石塀。主屋は総ケヤキ造りの平屋建てで、3室の座敷や台所、板の間などがある。四方には下屋(げや)が設けられ、外壁はなまこ壁となっていて、地域色豊かな屋敷の特徴を色濃く残している。
 蔵は米蔵兼家財蔵として使われていた。伊豆石の切石積の基礎上に建ち、外壁と内部がなまこ壁となっている。長屋門は中央が石敷通路で、南北に部屋がある。敷地は伊豆石が使われた石垣と石塀で囲われ、格調高いたたずまいを見せる。
 坂田さんは5年前に同所を見つけ、「元の姿のまま残し、地域文化の振興と持続可能な観光を促進したい」と考えて不動産会社から購入。宿開業に向け、劣化したなまこ壁や瓦屋根を修復した。石垣と石塀は購入時点で崩れていたため、現在は町内から伊豆石を集めて再生を図っている。
 坂田さんは「歴史ある建物が守られるべきものとして国登録の文化財になったことは意義深い。今回の登録が契機となり、町の古き良き建造物や風景が今以上に守られるようになればうれしい」と話した。
 答申通りに決定すれば、県内の国登録有形文化財(建造物)は318件となる。

      7月20日の記事

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