伊豆市柏久保の修善寺駅近くにあるビル1階で、5年間営業してきた「ギャラリースペースCotori(ことり)」が、31日で閉店する。文化芸術の発信や交流拠点として、ことりを営んできた元小中学校教員で、絵本セラピストの坪内ゆみさん(61)=下船原=は「当初の目的は達成できた」と感慨深げ。今後は、市内の別の場所に拠点を移して活動を継続する。
坪内さんは田方地区の小中学校に33年間勤務し、2017年に早期退職した。同市のNPO法人が運営するまちづくりワークショップを受講したのを機に、ビル所有者と出会い空き店舗だった同所を借り受けた。「トークイベントや講座などの開催により、人がつながり文化が発信できる場に」と運用がスタートした。
これまで県内外から多岐にわたるジャンルの作家らを招き、約60の作品展や文化イベントを開催。多くの人が来場し、作品に触れ、作家とのコミュニケーションを楽しんだ。長女のちひろさん(31)が店長として、現場での準備、運営やSNS(交流サイト)による情報発信を担当した。店舗の契約満了を迎えたことから発展的解消の意味を込めて閉店するという。
「ことり」での最後の展示は、坪内さん母娘と長年交流がある紙切り作家水口千令さん(40)=修善寺=による個展で18~26日の正午~午後5時の予定。坪内さんは「素晴らしい方に、ことりの最後を飾っていただけ感無量」と期待する。
閉店後、6月下旬に修善寺の絵本画廊「絵本倶楽部(くらぶ)コトリイロ」をリニューアルし活動を続ける。